雪上ロードバイク

This web site was created as a satellite site of the web sites "snowbiking in Japan" and "cycling training on snow"

雪上ロードバイクの会FAQs

よく寄せられる質問

このページでは、よく寄せられる質問に対する答えを掲載しています。
参考にしてください。

質問 回答
冬山のトレーニングで遭難したりしませんか? しません。
トレーニングは車が通行可能な道路でしか行われないので、遭難したくてもできません。ただ交通量の少ない道では、除雪が間に合わず、新雪も踏み固められないので、自転車も車も身動きできないほど短時間に積雪する場合がありますので、車が1時間に数台しか走らない、とかいう道では注意が必要です。
冬山のトレーニングに行くには薄着すぎませんか? 薄着に見えるだけで、中には何重も着ています。
雪上サイクリング
例えば上記の写真では上は8重、下は5重、シューズカバーは2重、グローブは3重、頭部は3重とかなり着ています。また末梢部分ではホッカイロを効果的に使用したり、電子機器のバッテリーを暖めるのにもホッカイロは効果的です。
冬山での練習はトレーニングというより冒険と呼ぶのではないですか? 呼びません。
来ていただければわかりますが、朝のラジオ体操みたいに冒険とはほど遠い単なる日常のトレーニングです。ちゃんとした装備と経験があれば、夏山とほぼ同じ感覚でトレーニングすることができます。
日常生活の日々も冒険だ、と呼びたいのであれば別ですが。
冬山でのトレーニングは寒くないですか? 装備や走り方によります。
装備に不備があればもちろん寒いです。
あとダウンヒルでぺダリングが不十分で低体温症になる人や、ちゃんと食事を取っておらず低血糖のため低体温症になる人がいます。
こうした点は経験で補うことができるので、基本的には寒くありませんし、ぺダリングしているときはスパイクタイヤがあまりにも重いためかなり暑い場合が多いです。

あと近年多いのが、ヒートテックのように速乾性の低いアンダーウェアを着用し、汗が冷えて低体温症におちいる人です。
当会では、汗のかきやすい体幹部での吸湿発熱素材の使用は禁止されています。
(手や足などでは逆に吸湿発熱素材が役立ちます)
時速80kmでコーナーを攻めてるとき、震度6強の地震が起こったらどうなりますか? 経験がないのでわかりません。
練習中、雪崩に巻き込まれたらどうなりますか? 経験がないのでわかりません。
雪崩が発生しそうなところは走らないことをお勧めします。
通常自動車道はアヴァランチコントロールがなされているので、自動車道を走る限り雪崩に遭う確率は限りなく低いです。

ただし写真のようにいつ雪崩ってもおかしくない箇所や雪崩防止柵を雪が乗り越えてる箇所は実際に存在するので、必要であれば雪崩ビーコンやゾンデを携行し、危険箇所を通過するときは全員が埋まってしまうことを避けるため、一人一人が距離を空けて走行することをお勧めします。

危険斜面
雪崩危険地帯

雪崩防止柵を雪が乗り越えてる例
雪崩フェンス
スパイクタイヤはスキー場で売ってますか? 売ってないと思います。
雪国の自転車店やアウトドア用品店で扱ってます。
ネットの通信販売等でも入手可能です。
山岳道路で練習中、山が噴火したらどうしたらいいですか? 安全なところへ避難してください。
自動車道以外で練習することはありますか? 滅多にありません。
林道を走ることがありますが、大抵は車の走れる林道を使います。
ただ冬は凍結した河川や湖の上で練習することがありますが、札幌近辺では降雪が多く氷の上に雪がかなり積もってしまい走りずらいので、雪が非常に少ない年にしか行われません。
あとスキー場ダウンヒルもゲレンデ使用の許可がおりれば行うことがあります。
ひかりより速いものってありますか? 理論上の粒子で虚数の絶対質量をもつタキオンなどがあります。
また荷電粒子が物質中を通過するとき、その物質中での光速を越えることがあり、チェレンコフ光放射が観測されることがあります。
ひかりより速いもので我々日本人にとってお馴染みなのはやはり「のぞみ」でしょう。
雪上ロードバイクって単にドロップハンドルつけたMTBじゃないですか? サイトにそう書いてあると思いますけど。。。
ブレーキはディスクの方がいいでしょうか? 通常のコンディションではVブレーキでも十分な制動を得られます。
しかし強烈な降雪時や、深い雪の中を走るときは、雪でリムが濡れてブレーキの効きが極端に悪くなることがあるので、ディスクブレーキの方がお勧めです。
ディレーラーが凍って動かなくなるのですが。。。 気温が氷点下なのに、道路が濡れてたりすると、巻き上げた水が凍結し、様々な部分が動かなくなる現象が発生します。
また放射霧や雲の中を走行すると、霧氷によりワイヤー等が凍結し動かなくなることがあります。
基本、ある程度頻繁に動かしていれば凍結して動かなくなるということはかなり防げます。
あと自転車を駐輪するときは、必ずインナートップにギアを入れて止めるようにしてください。
そうすれば、ディレーラーやワイヤーが凍結してもバネ力に頼らず動かすことができます。
もし凍結して動かなくなったら手で動かして凍結を解除することもあります。
また凍結する可能性のある箇所をグリスで覆ってしまい、水分が浸入するのを防ぐ方法もあります。
このほかには、潤滑油が凝固(凍結)するという問題もあります。大抵の潤滑油はマイナス25℃程度までは問題なく潤滑性能を発揮しますが、ものによってはマイナス25℃程度で流動点、凝固点に達してしまうオイルもあるため、低温下で使用する場合はオイルの流動点を確認して使用するようにしてください。
スパイクタイヤをつけたシクロクロスと雪上ロードバイクはどちらが冬のトレーニングに適してるでしょうか? 市販されている700c用のスパイクタイヤは限られているので、雪上ロードバイクの方が冬道に適していると思われます。
しかし、2012年にシクロがディスクブレーキ解禁になり、今後性能が上がってくることが考えられ、さらに700cもいいタイヤが出てくれば、シクロも冬道で雪上ロードと対等に走れるようになることも考えられます。
面倒なパーツの取り回しが必要な雪上ロードと異なり、シクロは組みやすいと思うので、我々も将来的にはシクロに移行していくことも考えられますが、現在のところは雪上ロードの方が冬道に適しているでしょう。
サスペンションってあったほうがいいですか? 自動車が走る道路を走る場合、路面は限りなくオンロードに近いので、あってもなくても大してかわらないと思います。
ただサスに関しては我々の間でも意見が分かれていて、Dr.Kを中心とするサスがあった方がいい派と、K(Tesseract)やCairnを中心とするなくていい派が半々ぐらいです。
ただし、リジッドに変更するのは面倒なので、ほとんどの人はサスペンション付きで乗っています。
スパイクタイヤは何がいいでしょう? 以前はIRCから出ていたMudmadにスーパーカブのピンを打ち込んだものを使用していました。スーパーカブ用のピンのため、ピンがタイヤから5mm程度飛び出していたため、圧雪でのトラクションは非常に高く、普通のタイヤでアスファルトの上を走るよりもグリップするタイヤでした。かなり前に製造中止となり、現在ではこのタイヤの入手はほぼ困難です。

現在日本で入手できるものは Schwalbe や Nokian (Suomi) のスパイクタイヤです。
Nokian (Suomi)はピンの出が少なく、圧雪・氷雪路ではかなり滑ります。アスファルトが出ていることが多く、ところどころ凍結しているという路面を走る際には Nokian (Suomi) のタイヤは適していると思いますが、完全な氷雪路を走るには不向きです。Schwalbe のタイヤの方がピンの出が大きく、氷雪路でのグリップが高いです。2016年現在市販されているスパイクタイヤの中で最も性能がいいのは Schwalbe の Ice Spiker Proです。アルミのピンにタングステンカーバイドを施したピンはアスファルトの上を走ってもほとんど摩耗せず、とがった先端は硬いアイスバーンもよくとらえます。とくに硬いアイスバーンでの性能は他のタイヤとはけた違いに高く、安心して走れるタイヤとなっています。高速域での安定性もよく、他のタイヤで起きる時速50~60㎞領域から始まる後輪の不安定性もこのタイヤではほぼ起きません。ただしスーパーカブのピンと比較するとピンが短く、アイスバーンの上の新雪の厚さが微妙だと、下層のアイスバーンをうまくとらえないことがあるので慣れが必要です。

あとスパイクタイヤを選ぶ上で最も重要な点を書いておきます。それはケチって安物を買わないことです。世の中のサイクリストの多くは、冬の自転車にあまり投資したくないと考えているため、どうしても安物を使用してしまう傾向が強くなります。スパイクタイヤは大事に使えば普通に10年は使えます。最高級タイヤに採用されているタングステンカーバイドのピンは多少アスファルトの上走ったぐらいではほとんど減りません。最高級のタイヤを買ったとしても10年使えると思えばそれほど高い買い物ではないでしょう。安物のタイヤは滑って危ないし、重量も重い。結局安物を使っていると冬道は危なくて面白くないと思うようになってしまいますし、事故にでも遭えば取り返しのつかないことになります。高級タイヤを使用していれば、夏と同じように安全で快適に走れるのにもったいない話です。それに安いタイヤはピンも鋼鉄やアルミ合金製でタングステンカーバイドのものと比較すると減るのは極端に速いです。長いスパンで見ると高級な減りにくいタイヤの方がコストパフォーマンスがよいことも多いです。

2016年現在市販されているスパイクタイヤの中で我々が推奨するのは Schwalbe の Ice Spiker Pro のみです。他のタイヤは我々のトレーニングとしての使用条件では性能が不十分で使えません。ちなみに Schwalbe には Ice Spiker Performance というタイヤもありますが、こちらはワイヤービートで、ピンもアルミ+タングステンカーバイドで重量が重く、ピンの先端がとがっていないためアイスバーンでの性能は落ちます。Ice Spiker ではなく、ぜひ奮発して ProIce Spiker Pro の方を使用して、雪道を楽しんでいただきたいと思っています。
フェイスカヴァーをするとサングラスが曇って凍ってしまいます。
どうしたらいいでしょうか?
サングラスに呼気が吹きかからないようにするアイテムを皆さんそれぞれ自作して使用しています。また極端な防寒の必要のない登りでは、通気性のよいレンズが小ぶりなサングラスを使用することで曇りにくくなります。下りは普通のスキーゴーグルを使用していますが、曇ることはほとんどありません。平地では、気温や天候に応じて、登りで使用しているものより防寒性能の高いサングラスや、ファンつきのスキーゴーグルを使用しています。マイナス20℃を切るような気温で、なおかつ日差しがないときはヒートレンズのスキーゴーグルを使用することがあります。
あとは呼吸するとき、呼気がサングラスにかからないように息を吐くことが重要です。下を向いて息を吐かない、風下に向かって息を吐かない等が重要です。風上に向かって息を吐くときは上方に吐かないように注意してください
まさに変態的スポーツですよね?
クレイジーじゃないとできないですよね?
よく言われますが、それを言ったらもっと過酷な環境で行われ、危険度も自転車とは桁違いに高いスキーや冬山登山等のスポーツはどうなるのでしょう。
一般的に自転車は冬のスポーツというイメージがないため、このようなことをよく言われます。
実際に体験していただければ、何の変哲もない普通のスポーツだということがわかると思います。
ケガ等の事故が多いスキー等、他のウィンタースポーツと比較し、適切な装備と経験さえあれば、安全性が非常に高いことも雪上ロードバイクの特徴の一つであると考えています。
スパイクタイヤは125cc以上の二輪車では規制されてますよね?
私は肺活量6000ccあります。
スパイクタイヤは使用できないのでしょうか?
肺活量は関係ありません。
規制の対象になるのは肺活量ではなく、排気量です。
排気量でスパイクタイヤの使用が規制されるのは原動機付き自転車です。
自転車は軽車両に属し原動機付き自転車とは異なり規制対象外ですので、スパイクタイヤが使用できます。
流氷の上は走れますか? 理論上走れなくはないでしょうけど、小学校で習うように流氷の上は非常に危険なので単独で何の装備もなく行うのは絶対にやめてください。
海に落ちたり、流されたりしても大丈夫な格好と救助体制を準備して行うなら大丈夫かもしれないので、
どうしても流氷の上を走りたければ、流氷ウォークなどを行っているガイドに相談してください。
クレバスに落ちたりしませんか? しません。
少なくとも私達はクレバスが存在するようなところを走ることはありません。

ただし、クレバスではありませんが、除雪車があまり入らない住宅地などの道路で、マンホールのある部分が大きくくぼんでいることがあり、そのくぼみにはまる人がときどきいるので気をつけてください。
雲はなぜ落ちてこないのですか? 上昇気流が露点に達したところで雲が発生します。
上昇気流に乗って上昇を続ける水滴もありますが、下降する水滴も多く、小さな水滴は露点にまで下降したところで蒸発します。蒸発しきれないものは雨や雪として地表に降り注ぎます。雲は落ちてこないように見えるだけで落ちていますが、落ちる過程で消滅し、代わりに上昇気流によって新しい雲が生成されるため、見た目上落ちてこないように見えてるだけです。
ファットバイクはどうですか? どこを走るかによって見解が違ってきます。

ファットバイクのタイヤは面圧が低く、いいスパイクタイヤもないので圧雪・アイスバーンではかなり滑ります。また浮力が大きく、新雪では走りづらいです。また重量も大きく、雪道を走るのにはお勧めしていません。

ファットバイクは基本的には除雪された雪道走行には適していませんが、浮力が大きく、中途半端な圧雪路は雪上ロードバイクより走りやすいという特徴があります。雪が少ない地域で、除雪されていない、軽く圧雪されただけのところを走るときにはよいのではないでしょうか。
〇月〇日、〇〇を走っていましたよね? 大量に間違った私たちの目撃情報が寄せられます。
冬に自転車乗っているサイクリストは国内だけでも万単位でいます。
似たような人を見かけると、私たちのように思われてしまうかもしれませんが、目撃情報の9割は私達ではありません。
当会のメンバーとほぼ同じデザインのウェアを着て走っている人も見かけるので、かなり紛らわしいと思いますが、ほとんどの目撃例は間違っています。
ただし1割ぐらいは正しい情報で、実際に私たちであることもあります。
ブレーキはメカニカル?それともハイドロがいいですか? 基本的に低温時の作動で不安要素の少ないメカニカルを勧めていますが、当会ではシマノのハイドロが氷点下28℃でも動作することを確認しているので、しっかりメンテナンスされていればハイドロでもよいかと思います
ただしメンテナンスが不十分で、オイルに気泡や水分が混入してしまった場合、低温時で動作しなくなる可能性があり、そういった意味ではハイドロはリスクです。
メカニカルは動作しなくなるリスクはありませんが、放射霧や雲の中を走行した場合、ワイヤー等に霧氷がつき、ブレーキが完全に戻らなくなる不都合があります。
ハイドロでは同様のトラブルの発生頻度は低くなっていますが、低温時は戻りが遅くなり、オイルの粘性が増すためかなり引きが重くなります(空気などが混入していると逆に軽くなることもあります)。
テールライトはどんなのがいいですか? 最近は電子スイッチの普及で、低温でバッテリーの電圧が低下したときに、電子スイッチがスイッチを切ってしまう問題が多発しています。
そうした問題が少なく、なおかつかなり明るいので現段階ではKnogのテールライトがお勧めです。
ただし超低温下で長距離走る方は一回の充電ではバッテリーが持たない可能性があるので、写真のように複数のテールライトを装備し、順々に使用していくことをお勧めします。
テールランプ
第二外国語の選択で迷っています。フランス語とドイツ語、英語から学びやすいのはどちらですか? よくドイツ語は英語と同じゲルマン系(西ゲルマン語群)だから、ドイツ語の方が学びやすいと言ってる方がいらっしゃいます。しかし英語とドイツ語が分岐してからすでに2000年程度の月日が経っていると推測され、単語の形もかなり変化しています。一方、フランス語は1066年の Norman Conquest 後、イングランドでは支配層がフランス語しばらくの間使用していましたが、その後庶民の使用する英語にも大量のフランス語が流れ込み、現在の英語の単語のうち6~7割はフランス語由来のものと言われています。フランス語からの借用語は現在でもそれほど大きく形を変えておらず、英語の知識があればドイツ語よりフランス語の方が学びやすいと思います。ただし英語の基礎的な部分はゲルマン系の単語が多く、より高度の領域になってくるとフランス語由来の単語が増えるので、英語力がそれほど高くないという場合には、フランス語由来の単語への馴染みが少なく、アドヴァンテージはそれほどでもないかと思われます。英語は屈折語の特徴である格変化や複雑な動詞の変化、形容詞の変化、名詞の性等がほぼ消滅しており、英語から他の屈折語を学ぶ場合、このあたりでつまづく学習者が多いようです。ドイツ語もフランス語も英語と比較すると文法の規則性が高い言語なので一通り規則を覚えてしまえば学習が楽になると思いますので、初期の文法でつまづかないようにしてください。
手袋の中にホッカイロを貼るのはどうでしょう? 足用のホッカイロ等、小さめのものは手袋の中に入り、中に貼ることができます。しかし指自体を温められるように貼ることができるのであればよいのですが、たいていの場合は無理だと思います。インナー手袋の手の甲にホッカイロを貼る人がいますが、これは危険です。手の甲が無駄に熱せられ汗をかきやすくなり、その汗が指を冷やすことで凍傷のリスクを高めます。指自体を温められないのであればホッカイロは使用しない方が安全です。
同様に、足にホッカイロを貼る場合も、指自体を温めるような貼り方をしてください。
ちなみに手袋に関しては、我々の間では練習に出発する前に温風等で温めておくことを推奨しています。手指の冷えを遅らすにはかなり効果があることがわかっています。
手袋(グローブ)はなにがいいですか? 手袋は自転車用のものでは冬の寒さの中使用できるものはないと思います。スキー・スノーボード用、冬山登山用の手袋などを使用しております。我々の中で評判がいいのはBurtonの手袋です。ただしBurtonの手袋はスノーボードで使用することを想定して作られているものが多く、手掌側に滑り止めがついていないものがほとんどで、ハンドルは若干滑りやすいです。我々はそのまま使用しておりますが、気になる人はハンドルか手袋に滑り止め加工してもいいかもしれません。
また手袋は必ず腕に固定するヒモがついているものを使用しましょう。強風の中手袋を外して作業するとき等に手袋が飛ばされてしまっては大変です。それを防ぐためにもヒモがあるものを選びましょう。スキー・スノーボード用の手袋の大半は最初っからヒモがついていると思いますのでそちらを活用してもらえれば大丈夫です。